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グラニャーノ(Gragnano)という町
ナポリから南へ30Kmほど、ちょうどソレント半島の付け根にあたる位置の、川をはさんだ丘陵沿いに小さな町が広がっています。グラニャーノは、車ではナポリ〜サレルノを結ぶ高速3号のカステッラマーレ・ディ・スタビア出口から4Km離れた国道366号沿いとなり、鉄道ではグラニャーノ〜ナポリ線沿線にあります。
グラニャーノという地名は、昔この地域を支配していた“ゲンス・グラニア”家から名づけられたもの、あるいは小麦の“グラーノ(grano)”に由来とするとも言われています。小麦とは縁の深い町で、町東部のミルズ谷には16世紀に麦をひく為に使われていた水車が現在でもその痕跡を残しているので、この谷を人々は"ひきうすの谷"と呼んでいます。
この町が有名になったのは、19世紀初頭のナポリにおけるパスタの産業化の中心となった、いわゆる“パスタ発祥の地”と呼ばれてからです。カンパーニャ州の穀物地帯を背景に、セモリナをこねるために適した山の清流と日当たりの良さ、ベスビオ火山から吹き降ろす乾燥した風と海からの湿った風、このような自然の条件がパスタの天日乾燥に適しており、パスタ作りが盛んになったとされています。市内のメインストリート、ローマ通りは昔、マッケローニ通りと呼ばれ、パスタを天日で乾燥していた時代、この通りでパスタを道いっぱいに広げて乾燥させていました。イタリアの古い町の通りはどこでも狭く通りにくいものですが、この通りは広場のように幅が広くなっており、これもパスタ発祥の名残といえます。
現在でもリグォリ社をはじめ、ガロファロ社、ディマルチノ社など小さな町にしては多くのパスティフィーチョ(Pastificio=パスタ工場)がパスタの伝統を今に伝えています。
もっとも天日乾燥は現在、衛生面で法律で禁じられており、各社とも近代的な乾燥設備を保有していますが、中にはファエッラ社のように静置式乾燥をやっている手作りの工場もあります。パスタ以外ではグラニャーノという発泡性の赤ワイン、パンボッツォ(Panvozzo)という具入り重ねピザが有名で、2年に1度ほど、町をあげてのパスタ祭りが催されています。
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