フランス料理は、ナイフとフォークで食べる優雅なイメージがあります。でも実は、16世紀ごろまで、ヨーロッパではほとんどが手食(手づかみで食べる)だったそうです。イタリアでも、パスタを手でつかんで食べる姿が、ナポリの絵画などに描かれています。
フォークの歴史はそんなに古くはありません。12世紀のベネチアで上流社会の貴婦人が手を汚さずに食べたいと、干し草をすくうために使っていた農具用のフォークの小さいものを作らせたことが、フォークの起源だという説があります。また、ナポリ国王フェルディナンド2世が、宮廷の晩餐会でパスタ料理を出す際、お客様に手づかみで食べさせるわけにはいかず、肉刺し用に使っていた先のとがったフォークを食事用に改良したのがフォークの誕生だとも言われています。さらに、当時のフォークは尖った3本歯でしたが、よりパスタが食べやすくなるように、4本歯に改良したとも言われています。
イタリアで生まれたフォークは、フィレンツェのメディチ家のカトリーヌが、フランス国王アンリ2世のもとに嫁いだときに嫁入り道具として持ち込んだことからフランスに伝わり、やがてヨーロッパじゅうに広まっていったそうです。ナイフ、フォーク、スプーンのセットで食事をするようになったのは、比較的最近の文化なのですね。