都心から電車でおよそ20分。閑静な住宅街に、カテリーナ・ナガヤさんを訪ねました。
太陽の照りつける真夏の午後、約束の時間にインターホンを鳴らすと、漆黒の髪と瞳の、優しい笑顔が出迎えてくれました。
カテリーナさんは日本に住みはじめて、はや24年! 生まれ故郷のアテネで出会った日本人男性と恋に落ちて結婚、東京で暮らすようになったそうです。ご主人はギリシャ正教の神父さま。2人のお子さんは既に成人し子育てがひと段落した今、カテリーナさんはギリシャ大使館で厨房を任されているほか、公立の機関で一般の人たちにギリシャ料理を教えたりしています。
「今日作る“コキニスト”はギリシャ語で『赤くしたもの』という意味で、肉のトマト煮込みのことを指すんです。お肉なら何でもいいけれど、牛肉を使うのが一般的ね」
鍋を火にかけながら、カテリ−ナさんが教えてくれました。キッチンは、隅から隅までピカピカに磨き込まれ、きちんと整理整頓されています。
伝授していただいた“コキニスト”(4人前)のレシピは次のとおり。
まずシチュー用の牛肉(800g)を5、6cm大に切ります。鍋に肉を入れ、ひたひたに水を満たし、中火で煮ます。途中でアクを取るのを忘れずに。すっかりアクがなくなったら、約10分間煮て下さい。次に、オリーブオイル(100g)とたまねぎ半個をすりおろしたものを加えます。さらに約10分煮てから、トマト(カゴメの“完熟カットトマト”1缶と“トマトピューレー”100gパウチ)、にんにく3カケ、月桂樹1枚(細かくちぎっておいたほうが香りがよく出ます)、砂糖(小さじ1。なくても可)、こしょう、ナツメグ各少々を加え、弱火で30分ほど煮ればできあがり。お好みでいんげん豆や炒めたなすを入れても美味しく仕上がります。
この“コキニスト”、白いご飯にかけて頂くと、絶妙のコンビネーション! スパゲティにかけても美味しいのだそうです。
肉はとろけるように柔らかく、ソースは実にまろやか。秘訣は、どうもオリーブオイルを加えて煮込むところにありそうです。
「絶対欠かせない味の決め手ですね」
たっぷりのオイルを加えたのに、あっさりした味に仕上がるのは何故でしょう。
「一番搾りのエキストラ・ヴァージンオイルは、変な油っぽさが残らないし、身体にもとってもいいんです。スープを作る時も、必ずオリーブオイルを加えて煮るんですよ。でもね、私が日本に来た当初は、一番搾りのエキストラ・ヴァージンオイルがなかなか手に入らなくて、代わりにサラダ油を使って大失敗したこともあるわ」
カテリ−ナさんは少し恥ずかしそうに笑いました。最近では、ハーブや野菜、フェタチーズ(山羊のチーズ)、ラム肉など、ギリシャ料理に必要な食材が比較的簡単に手に入るようになったので、とっても助かるのだそうです。 |
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| お話を聞く間も鍋はぐつぐつ。煮込むこと約50分。 |
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| ギリシャ語で『赤くしたもの』という意味の“コキニスト”。 |
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| ギリシャ語の料理本を見ながら、説明してくれるカテリーナさん。 |
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