暑い夏が終わって秋になると、イタリアでは新学期がはじまります。のんびり過ごしたバカンスはおしまい。子どもから大人まで誰もが、気持ちを引きしめて、勉強や仕事に精を出す季節です。なかでも、冬に備えての保存食作りは、家庭での大切な、そして楽しい仕事。冷蔵庫のなかった時代からの、生活の知恵なのです。秋の果物、アプリコットやカリンならジャムに、いちじくなら乾燥させてオーブン焼きにします。同じく野菜も、オリーブオイルやワインビネガーに漬け込んで瓶詰めに。ピーマン、なす、ズッキーニなどが代表的ですが、とにかく何でも保存してしまうのです! こうしておけば、冬場の前菜やつけ合わせに困ることはありません。ただし、日本はイタリアに比べて湿気が多いので、自家製のオイル漬けや酢漬けは2、3週間で食べ切るようにしてくださいね。 もうひとつ、イタリア人にとって重要な秋の仕事といえば、ブドウの収穫。私の生まれ育ったバジリカータ州にもブドウ畑はたくさんあって、自家製ワインを作っている家庭も多いのです。幼い頃、祖父の畑で手伝ったブドウ摘みの楽しかったこと! そしてもちろん、秋は行楽シーズンでもあります。男の人はよくハンティングに出かけますが、一家そろって楽しめるのは、きのこ狩りや栗拾い。自分たちで穫ってきたきのこや栗をお料理していただくのは、格別のおいしさ。 今回は、秋の旬素材、なすやきのこをふんだんに使ったお料理をご紹介しましょう。さっぱりしたものが欲しくなる夏とは違って、いろいろ食べたくなる食欲の秋にふさわしい、風味豊かなレシピです。
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