「25歳までトリノで暮らしていました」
真っ赤なスーツに身を包み、さっそうと現れたダリオ・ポニッスィさん。ダリオさんはトリノ生まれのトリノ育ち。トリノ大学で文学を専攻、さらにNYで演劇を学んだ後、日本を訪れ、早くも20年近くが経ちました。とはいえ、故郷トリノへの熱い思いは変わりません。
「トリノは1861年の統一後、イタリア初の首都になった由緒ある街。ローマやフィレンツェ、ヴェネツィアなどに比べると、まだまだ日本人には馴染みが薄いですが、見どころはいっぱいあります。特にフィリッポ・ユバッラという建築家の手がけた宮殿や教会は素晴らしいんです。19世紀末に建てられたモーレ・アントネッリアーナ塔はトリノのシンボル。現在、中は映画博物館になっています。イタリア映画産業発祥の地はトリノなんですよ」
幼い頃は、家族で街の中心サン・カルロ広場を囲む美しいアーケードを散歩したり、冬場は今回のオリンピック会場となっているスキーリゾート地に遊びに行ったりするのが楽しみだったというダリオさん。
「トリノでは、ナポレオン統治時代に街を囲んでいた城壁が取り壊されたので、中心部からまっすぐな道が放射状に伸びていて、イタリアの他の都市と違った、開放的な構造になっている点も気に入っています」
さらに、そこかしこに素敵なカフェがあるのも特徴。中でも100年以上の歴史を誇る「カフェ・トリノ」はお勧めです。古くから王侯貴族や作家、スターたちが集ったというこの店の前の石畳には、大理石の牡牛がかたどられています。
「この牛の像を踏むと、またトリノに戻ってこられるという言い伝えがあるんですよ」